オランダ セミナー レポート ( In de ban van Japan 2006 ) Drogteropslagen Netherlands |
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準備編 |
Attilaからのメール 今回のオランダ行きは、かの有名なDrアティラ(英国)の一通のメールから始まった。 メールには、「欧米のフリースタイラーの中には、モチベーションの持続やワークの正確さに欠ける方がたくさんいる。 あなたはクリッカートレーニング以外のフィジカル・プロンプトを取り入れたトレーナーだと思う。 私の良き友人である英国のドネルダ・ガイやメアリー・レイ、米国のサンドラ・デーヴィスなども フィジカル・プロンプトを利用した偉大なトレーナーとして成功している。 是非嬉々として正確なトレーニング法を、欧米のフリースタイラーに伝えて欲しい」と記されてあった。 その後のメールには「日本の振り付けは、手や体の動きがキューを感じさせない独創的なもので非常にきれいだ。 この事も含めて教えてきて欲しい」とあった。 偉大なトレーナーを列記されると気後れするし、私はトレーナーではあるが、振付師ではない。 それに、前回のWCFOからの要請を身体的な理由で断ったばかりだったので、この申し出には困惑したが、 オランダは気候も良く非常にきれいな国と聞いていたので、行ってみたい気もあり引き受けることにした。 それに、英国を含むドイツ、ベルギー、オランダの中央ヨーロッパのトレーニング技術は、 非常に水準が高く世界でもトップレベル。 日本のアジリティーやIPOの世界も、これらの国々から大きな影響を受け、急激に成長している。 「教えるというより、学ぶ気持ちで行ってみよう、必ず得るものがあるはずだ」 早速WCFOのオランダ支部長をしているヴィースから新たに要請のメールが入った。 期日は8月末、夏真っ盛りの日本と違い、オランダの8月末は秋に近いという。 準備期間は8ヶ月、たっぷりあるし、どうにかなるさ。 要請を受けて2・3ヶ月は何の準備もしないままに月日が過ぎ、あと半年に迫った頃、 スケジュール表などがすこしずつ送られてくるようになった。 テオリーと実技に分かれていて、結構過密なスケジュールだ。 出席者のメンバー表や個々の要望なども送られてきて、否が応でも気をあせらせる。 大雑把な性格と勝手に思っていたオランダ人にしては、結構用意周到である。 少しずつでも準備をと思い、プレゼンテーション用に以前から欲しかったパワーポイントと プロジェクターを購入し、資料作りを始めた。 映像用にと、今まで野放し状態だった我が家の「ジンガロ君(B・C)」のトレーニングも 少しずつではあるが開始した。 ・ ・が、まだ先の話と思っているので、なかなか作業は進まない。 やっとその気になったのは、生徒さんたちから 「まだ先の話と思っていたのに、もうすぐですね」と言われ始めてからの事。 この5,6年、体の不調で運動らしき事をしていなかった身は、風にあおられる老木のように音を立ててきしむ。 マッサージ器と低周波治療器にかかるのが毎日の日課となった。 長年大切にしてきた考え方を「馴致とマッスルメモリー」と課題をつけて取り組む。 久しぶりの1からの作業は、出来るだけ生徒さんたちの見ている時にしたいので 不定期的になるのだが、気まぐれなトレーニングにも、ジンガロは文句も言わず付き合ってくれて、 順調に課題をこなしてくれる。 今回は「馴致」の大切さを伝える為に、難易度が高いと言われているトリックを数多く取り入れて それを実証する為のトレーニングを進めているのだが、生まれ持ってのおとぼけ君の特訓を、 生徒さんはいつも笑顔(失笑?)で見守ってくれる。 期日が迫った8月、なんとか形は出来た、あとはこの事をどう伝えるかだ。 英語がまったく駄目な私は、今回同地でアジのセミナーを開催するO氏に同行の快諾を得たが、 彼の同行が無ければ、おそらくオランダ行きを決意していなかったであろう。 O氏は今回の旅の心強いパートナーで、セミナー成功の影の功労者として大変感謝している。 |
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オランダへ・・
途中の風景も含めて説明するなら、北海道に高級リゾート地を持って来た感じ。 おまけに外気温は北海道より低い。 「少々寒くても現地の人はTシャツだが、トレーナーのひとつ位は持って言ったほうが・・」と 忠告してくれた友人がいたが、現地で見る人のほとんどがフリースやウインドブレーカーを着用している。 半そでTシャツの我々は「寒い、寒い」の連発。 今年のオランダは、秋の来るのが早かったそうだ。 本来ならスポーツの秋として、抜群のコンディションなのだろうが、うだるような真夏の蒸し暑い中を 出発してわずか一日しか経っていない身には余計に寒さを感じる。 しかし町並みと自然は抜群だ! まっすぐに伸びた道を挟んで点在する家々では、三軒に一軒の割り合いで、まるで犬でも飼うように馬を飼っている。 家の裏には、専用の馬場まで持っている、なんと優雅なことか。 車庫にはスポーツ用の馬運車が置かれていて、馬を乗せて外出する光景を、滞在中何度も目にした。 ところが、かなりの家が点在する町?なのに、お店らしきものは一軒もない。 もちろん、自動販売機などという反自然的?な物は全く見当たらない。 イヤ〜な予感!! ホテルやスーパーなどがある、車で20分位の町から通う不便さを考慮して、近くにあったキャンプ場の 長期滞在者のためのアパートを借りた我々にとって、この事があとで重くのしかかって来るのだが、 この話はここでは触れない事にする。 キャンプ地での一週間のアパート生活は、気を遣う必要もなく、ホテルなどよりずっと快適だったが、 当然のように食事がない。 主催者側の申し出で、滞在中の1週間は家族と一緒の食卓を囲むことになった。 オランダの家庭料理が楽しめるなんて、コリャーついてるぞ! 「やったぁー、プチ・ウルルン滞在記だ・・」 当初は小躍りして喜んだのだが、この事がO氏と私にしか解らない 「エブリデイ・エブリデイ事件」や「マリファナ事件」を引き起こす事になる。 気になる話だろうが、これもまたここでは割愛します。 (オランダ語の解る人は、DTC・SportのHPのNieuwsでその一部を紹介しているようなので、どうぞ・・)
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通訳嬢とノバスコシア嬢 セミナーは、日本語→英語→オランダ語という、何ともややこしい形で行われる事になった。 オランダ人の三人に一人位は英語が理解できるようだが、中には全く理解できない方もいる。 ただでさえ、自分の考えを人に理解して頂くには、かなりの話術が必要だが仕方が無い。 通訳嬢は日本で11年間訓練士を務めたが、社会福祉という使命を感じての海外研修中のトレーナーで、 ノルウェー・ドイツの各盲導犬訓練所を渡り歩き、各国のトレーナーの資格を取得し、 現在オランダ最大のロイヤルの称号を持つ訓練施設で再々度の修行中(2年目)の方でしたので、 ただの通訳者よりは、私の思いを文化の違いも考慮に入れて通訳をしてくれたようで、その点は随分助かった。 但し、日本語→英語→オランダ語の流れでは、やはり胸にすっきりしない物が最後まであったのも事実です。 参加者には、現地やベルギーの指導者も何人か含まれていた。 中でも英国のコベントリーにも出ていて、クラフトのオビディエンス競技会でも優秀な成績をあげたという Brigitte & Rubyというペアーの技術の高さは相当なもので、愛犬Ruby(ノバスコシア)の オビの切れの良さと集中力は、目を見張るようなハイレベルなものだった。 他にもノバスコシアを連れたジュニアのハンドラーがいたが、この犬の素質も素晴らしく、 今回はすっかりノバスコシアに魅せらた旅にもなった。 彼女はオランダ最高レベルのインストラクター(トレーナーを指導する資格)らしいが、 ついて行けない位のトレーニングハイ?らしい。 ベテラントレーナーの通訳嬢も、現訓練所の指示で以前指導を受けた事がある言う事でした。 通訳譲が言うには「彼女は非常にプライドが高く、負けん気が人一倍強い性格だから あまり刺激しない方が良いと思います」と、大層な気の遣いようだった。 開始前から異常なプレッシャーがかかる。 |
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